あ、そうか、ボトムズ連中ってそもそも人間じゃないのか(まさしく戦争の犬、或いはそれ以下)。だからこそ、まずは人間になる、と言う段階が必要だったのか。キリコにとっては、「人らしく在る」こと自体が、存在のステップアップだったのか。それを助けてくれたのがフィアナと仲間たちだったのか。フィアナもそしてPSと言う意味で非人な人で、仲間たちはもちろん底辺の人たち。その人たちが肩寄せ合って、「人らしく在る」ようになる、と言うのがボトムズの物語。でまあ、犬呼ばわりで、当然ヘルシングが出て来て、ここであーたまが繰り返す、「化け物を殺すのは人間でなくてはいけない、犬では駄目だ」と言う台詞が頭をよぎる。(不死と言う意味で化け物な)キリコを殺そうとして殺せない「人間」たちはようするに人間ではないと言うこと。彼らこそが「犬」であるということ。戦争兵器だったキリコとフィアナと、底辺で非人だった仲間たちが肩を寄せ合って人らしさを育んで、キリコを殺そうとし続ける「戦争社会では支配階級の人間たち」が、実のところは犬であり、キリコを殺そうとして果たせないと言う意味において犬で在り続ける、と言う対比。
|