オーベルシュタインがヤンさんを暗殺しなかったのは、ラインハルトさまが、ヤンさんと言う存在に依存しながら上を目指してる(それは恐らく帝国側の提督連全員)と言うことに気づいてたからだよなあ。下手すると、自分が関わらない色んな暗殺計画を未然に防いでた節すらあるかも。ヤンさんを生かして戦場へ置いておくこと=ラインハルトさまの士気Keepと言う、常にラインハルトさまが前進するモチベーションKeepのために全力投球のオーベルシュタイン、健気。まあそこも、彼に言わせるとラインハルトさま(と言う個人と言うよりも、帝国を彼にとってより良い方向へ向かわせるだけの力を持つ誰か、と言うシンボリックなアレだけれども)のため=自分自身のためと言う風に、普通の人が言えばニヒルになるところが、ほんとにその言った通りのまま真っ直ぐ受け止められるオーベルシュタイン。彼の演技通り。はて、演技なのかほんとにほんとの本音なのか。しかし改めて構成が上手い。ラインハルトさまが未婚で跡継ぎがいない今の間が、帝国を波乱万丈にさせておく唯一のチャンス、と言うのと同時に、ヤンさんに結婚話を進行させると言う。そしてその一方で、ラインハルトさまはエミールを手元に置いて、私みたいになるんじゃないとか、いやそれヤンさんとユリアンと同じですやーんと言う。ふたりはある意味、場所を違えて、体を分かたれて生まれて来た、ひとりの人間みたいな、何かそういう感じ。双子じゃなくて、ひとりになるはずだったのが、ふたりに分かれて、それぞれの特質を分けて別々の場所に生まれたと言う感じ。
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