承太郎は、あの石段でカキョたんに一目惚れしたに違いないと思う。でも自分の気持ちを自覚したのは、きっとカキョたんの方が先だったに違いないと思う。承太郎は自分の気持ちに自覚すらなくて、カキョたんは片想いだと思い込んでて、ある日突然承太郎が、「ああ、おれはこいつに惚れてるのか」って、すごく冷静に気がついてしまうといいと思う。一緒に野宿の朝に、カキョたんに水の入った水筒でも手渡しながら。そういう調子で、今日もいい天気だくらいの感じで、ある時ふいっと、「花京院、好きだ」とか言って、ものすごくカキョたんをうろたえさせちゃうといいよ。なんか、そんなふたり。
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