ヤンさんは何か良い意味で鈍感な人だと思うんだよなあ。無神経になりそうなギリギリでまあ人並みなレベルで。まだ幼児と少年で両親を続けて亡くしても、孤児なんですシクシクとかなくて、先のことどうしようかなー勉強するならどこかなーできたらタダでーみたいな、そういう神経の太さと言うのが絶対あって、それが愛嬌にも通じてたのが幸運だったようなキガス。まあアレは、年上のおっさんたちに囲まれてたせいだろうと思うけれども。悲惨な自分の状況をあんまり深刻に捉えないと言うのか、何とかなるかなーならなかったらまあその時考えよーみたいな、アレは間違いなく父上譲りだと思うけれども。アレで母君がもうちょっと長生きしてたら、ヤンさんの性格もまた変わってたんだろうなあと言う気がする。ラインハルトさまは肝が太くて態度はデカいかもだけど、やっぱり年相応にまだ弱い部分があって、その分を、ヤンさんは年の功でラインハルトさまより図太かったのかもなあとか思った。後、親しい親族が身近にいるといないで、気持ちは全然違うよね。ラインハルトさまは明らかにキルヒアイスと姉上に依存してたわけだし。ヤンさんにないのは、この辺の精神的依存と言うヤツで、ヤンさんは頼りはしてたけど、基本的に誰かに依存すると言うことはなかった人ではないかと思う。それを変えたのがユリアンかもだけど。ユリアンを育てる、見守る、軍人でない青年に成長させる、と言うことに、ヤンさんは初めて依存して、その心地よさに気づいて、色々考えたのかもなあと思った。キャゼルヌ先輩的には、依存をわざわざヤンさんの仲に生み出して、現世にもうちょっと未練を持たせようと目論んだのではと言う気がするけれども。その点で、もっと俗っぽく分かりやすく現世の未練をヤンさんに与えたのはシェーンコップ先生ではとか思ったりする(もちろんユリアンも未練だけど、ユリアンは多分、ヤンさんなしで生きられると言うのがヤンさん的最終目的だったので、自分が割と早死することについては、まあ大丈夫だろうって思ってた気がする)。とか考えた。オチはない。
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