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マタギ列伝、元々どこに連載されてたのか知らんが結構エゲツない話が多いし、男女のあれこれもいっぱい出て来るのでまあ青年誌だったんだろうなと思いつつ、クマの近親相姦(母子)の話から、人間の近親相姦の話に繋げて行くとか、野生動物の近親相姦は人間のとは事情が違うと言うのが、今は読んで分かるが、これ子どもが読むと、父親が娘を強姦するのもアリとか言う考え方になってしまうのでは･･･とふと思ったりした。まあ、その父親は鬼扱いで、娘にナタで頭割られて死ぬんだけれども。そして娘がどう裁かれるのかと言う辺りまで心配する文明社会よ(親殺しは罪が重いんだよね確か)。この辺、近親相姦をどっちかって言うと純愛に描いた手塚作との違いよ。フィクションで妄想するなら純愛で萌える鬼畜だけど、現実は矢口作品の方だよねー。マタギは、産後２週間の妻に無理強いしたりとか、マタギの修行と称して男女のあれこれを見せるとか、山で女性(っつか少女)を強姦した仕返しに男性器を銃の罠で失うとか、エグいのが多い。最後の、強制去勢の話は、すごいと思ったのは、強姦したのを大したことじゃないと放置して忘れようとする(少女にものすごい目で睨まれてそれに怯えてたりする)のに、罠で股間を撃たれて苦しんでるところにその被害者の少女が現れて、｢罠に掛かったおまえが悪い、こんな目に遭うおまえが悪い｣と泣きながら言う。これは完全に｢強姦されたおまえが悪い｣と言う言説に対する被害者からの反論だ。強姦しようと言う衝動に対して、男は、｢ただの小娘だ、だからやったってどうってことない｣って繰り返し自分の衝動を肯定した男は、まったく同じことをやり返される。これで自分のしたことを反省した男は、傷の癒えた頃、謝罪のために娘の家を訪れる。そこで親から娘は自殺した(縊死)と告げられる。しかも妊娠してたと。それに対して男は、｢子どもまで出来てたんなら、俺たちはただの男女じゃなくて夫婦も同然、おまえは俺の妻じゃないか、なぜ俺(たち･･･？)の子を勝手に殺した？？｣と嘆き悲しむ･･･と言う、子どもの頃はこれを一種の悲哀と読み取ったけど、今は何かもう、勝手な衝動で好き勝手に強姦して、それをちょっと小指を打ったくらいのことと解釈して忘れようとして、被害者のことなんかちっとも思いやらなかったくせに、子どもは｢自分たちふたりの子｣なんだから勝手に殺すとか何事、死ぬほどのことなら何かひと言言ってくれても良かったじゃないかとか、強姦加害者が恐ろしいほど無神経な身勝手を言うと言う、徹頭徹尾自分のことしか念頭にない男と言うのが余すところなく描写されてて、これはこちらの解釈の仕方の問題と思うけど、矢口高雄ﾇｹﾞｰって思った。ちなみにこの男は、主人公である三四郎の養父で、マタギの隊の隊長の老人(つまりマタギとして尊敬を集める超ベテラン＆後にはアイヌの少女を幼女に迎えたりもする、世間的には大変出来た人。この過去が彼をこのような出来た人にしたと言う流れと思われる)。ちなみに前述の、近親相姦から親殺しをした女性も父親の子を妊娠してる。と言うので、色々萌えの詰まったマタギ列伝、萌えを吹っ飛ばすエグさ満載で、久々に読み返して戦慄したと言う話。
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