殿下がポタに、最期に愛していたって言ったのは、袂を分かっても互いへの親愛は変わってなかったって言いたかったんだろうなあって思う。もちろん、個人的には親愛越えた愛があったんだよねってゲスってるけど。主義思想で道は分かれてしまって、でも殿下は逆に、自分への親愛の念よりも自分の考え方を貫いたポタを、いっそう愛したんじゃないかなと思う。立場の違う自分(そしてポタ自身が深く敬愛してる)へ迎合して、思想を曲げて自分に添い続けると言う道を選ばなかったポタに、殿下はすごい感謝してたのかもしれないなと思う。自分を、対等の相手として扱ってくれたって意味で。主義が違う=相手を嫌いって訳じゃないし、「考え方は違っても相手を愛してるし、相手を愛していても、考え方の違いは保つ」って言う、ふたりはそういう関係で、それをはっきりポタに言ったのがあの台詞だったんだろうなあと勝手に思う。そしてポタは、最終的には殿下と同じ道を歩むことになって、そういうのでも、あのふたりもまた運命の下に、ずっと結ばれたふたりなんだなあって思った。死はふたりを分かたずに、むしろ結びつけたよって言う。あるいは、主義思想が違ってしまったゆえに、死を通してしか結ばれないふたりだったのか。ポタ的には、殿下と同じ轍は踏まない、と言うのが、ポタなりの殿下への愛の貫き方だったんじゃないかなと思う。もっとも、結果的には同じ轍を踏んだわけだが。そして、同じ轍を踏んだからこそ、ポタはいっそうあの時の殿下の、自国への思いを深く理解したんじゃないかと思う。袂を分かっても、相手への愛は不変、と言う組み合わせだと思うの、あのふたり。
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