ボトムズを純愛の物語だと思うのは、(ほぼ)誰もフィアナを性的に消費していないことと、キリコ自身が、フィアナと裸で抱き合う以上のことをしたいと望んでいたようには思えないという点。フィアナと一緒に過ごすって言うのは、それこそままごとみたいにただ一緒に暮らすと言う辺りで、想像が止まってるんじゃないかと思われる。キスすらしてないしなあのふたり。フィアナが一度してたけど、あれは多分された本人のキリコは記憶がない。あの辺り、異能者であること、神(の後継者)であることには、不能であり、生殖能力がない(性欲がない)、と言うのが必須なんじゃないかなと、何かそんな。ようするに、フィアナとどうこうしたいって言う具体的な下心なしに、キリコはフィアナを宇宙中ストーカーして、最終的に心中することを選んだと言うのか、キリコ的に、普通なら性欲に表現されるいわゆる愛の表現とやらが、「フィアナと一緒に死ぬ」と言うことだったんじゃないかなと。そういう意味で、ボトムズはほとんど病的な域で、純愛の物語だなあと思う。
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