社交界デビューの日(何だそれ)に、初めての燕尾服着て、玄関で待ってるよったんのところに、階段から降りて来るキリコ。馴れない革靴が気になって足元ばっかり見てて、よったんが自分に見惚れてるのに全然気づかない。「面倒くさいな、早く終わらせて着替えたい」とキリコが眉ひそめて言う。キリコの手を取りつつ、それを全然別の意味に取ってて内心慌ててるよったん。あ、ちなみにキリコとお揃(こちらは仕立て下ろしじゃないけど)の燕尾服。出る前に蝶ネクタイを真っ直ぐにしてあげて、「今夜はおとなしくしててくれ」ってよったんが言うと、「おれはいつだっておとなしい」ってキリコ。初めての公式のパーティーで、よったんの養子の息子的に紹介されて、「これが例の」みたいな感じに周囲に人が集まるけど、いつもの仏頂面のキリコ。敬語がめんどくさいから、自分の名前を言い捨てるだけ。よったんはそういうものとたしなめない。よったんと同等or上の階級の誰かが、ちょっと意地悪にキリコのあごくいってやって、「ほう、これが」みたいなこと言った時だけ、素早く間に入って、「やめていただこう」ってにこやかに言うよったん。後はキリコを隅に連れて行って、「もう帰りたい」って言うのに、「そうだな」ってあっさり言って、「どうも馴れない酒で気分が悪いようだ」って(全然飲んでない)そのまま連れ出して、後は帰りの車の中で、「下らない集まりだな」ってキリコが言うのも面白そうに、「一度顔を出しておけば、後は何もしなくて済む」って言って、後は着くまでいちゃいちゃ。運転手さんは察してさっさと仕切りのガラス(防弾)を上げます。完全遮音&スモーク。そして口は大変固い。車の中ではずっと手を繋いでる。座席の上に重ねるだけでもよし、どちらかの膝の上でもよし。キリコがモテモテが嬉しいとかよったんww 我が愛するキリコを見せびらかすチャンスを逃さない。屋敷に着いたら階段を上がり切れなかったりとか(意味深)。点々と落ちてる服は、執事さんが拾って後でそれぞれの部屋に届けておく。メンケンが、部屋までの廊下とかに点々と落とされたペキリの服を拾う時は、拾ってから盛大にため息ついて、「閣下、少しはお控えにならないと体に障ります」とか独り言つき。そうしつつ、部屋の中から気配が、みたいな。もうひとつため息こぼして、服を抱えたままどこかに去るメンケン。
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