ユリアンが越して来て、服とか自分のものはまああるけど、食器とかヤンさんかなりいい加減で、多分安物の、4人セット(丈夫でないこともないが、とにかく安っぽいの)の食器がひと揃いあるだけで、ちょっとこれで成長期の子どもに食事をさせるのは情操教育に悪い気がする(本で読んだ)と思ったヤンさん、ユリアンを連れて食器等の買い物に行き、ユリアンが真っ先に買いたがるのが、ヤンさんのためのティーポット含むティーセットとかそういう。それはまあいいや買おうってユリアンと一緒に選んで買ってから、ヤンさんは、自分用のカップを買いなさいってユリアンに言う。わたしのティーカップがあるんなら、おまえにだっておまえ専用のカップがあるべきだろうって。ユリアンは自分専用の食器と言うのを持ったことがなくて、そもそも考えたこともなくて、食器棚に自分のと言うカップがある眺めに感動するなど。そして帰宅して、新しい食器をまず洗ってるユリアンのところに、ヤンさんが「渡すのを忘れてたよ」って家の鍵を持って来る。何も言わず、まったくもって無心げにこの家の鍵を差し出して来るヤンさんに、鍵を渡すと言うのがどういうことか、分かってるんだろうかこの人はって、何かこう、ヤンさんの人となりについて色々考えをめぐらせるユリアン。そんなに、僕のことをあっさり信用なさって、いいんですか提督、的な。そこで、こんなに人を疑わない人をひとりにしておけないとか思うなど。まあ、帝国では詐欺師とかペテン師とか腹黒とか言われてるんですけれどもヤンさん(多分)。そうやって、無事にヤンさん宅に落ち着くユリアンとかそういう。
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