一也はひとりっ子だし、多分親戚付き合いとかも希薄で、お下がりとか経験がなくて、診療所で多分初めてお下がりもらったけどあの成長具合だとすぐ着れなくなったと思う。譲介は孤児同然だし、基本的に持ち物は全部お下がりで、まあそういうものって思ってるからお下がり着るのが当然で感動も抵抗もない。そのことを一也が、お下がりがちょっと憧れみたいに言って、多分宮坂さんも、特にひとり娘だからお下がりとかないないと言う感じで、親しい人からその人が着てた服をもらうって、何か特別な感じでいいわよねって言うのに、そういうもんかって思う譲介。そして多分、お下がりばっかりのオレ(K先生や富永からのお下がりとかあると思う)は特別ってちょっと内心得意になるとかそういう。TETSUに拾われる前なら、けっ家族がいる自慢かよって思ったかもだけど、今は診療所で、自分とは違う人の人生みたいなのを覗いても卑屈が顔を出さない程度に健やかになってる譲介。
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