元上官であるリューネブルグさんを自分の手で殺した過去があるシェーンコップ先生は、ヤンさんに対してそういう可能性を考えなかったっつったら多分嘘だろうし、ヤンさんはそういうことにはならないって思ったからこそ、150まで生きたいし、貴方の傍ならそうできそうとか軽口にせよ言うわけだし、そこには自分が生き延びる、と言うことはもちろんだけど、貴方も一緒に生き延びる、私がそうさせる、と言うのが含まれてたんだろうなあって突然思った。ここで道原鬼畜なら、「私なら貴方を苦しめず一瞬で殺せる」と言うのが入って来るんだろう。それが道原鬼畜の、道原ヤンさんに対する自負で、自信で、信頼の証と言う。そういう道原鬼畜に対して、ありがとうってするっと返すだろう道原ヤンさんだからこそ、道原鬼畜は全幅の信頼を置いてると言うのか。自分の望みとして真っ先に上げたのが、同盟の勝利とか帝国打倒とかではなくて、「数十年の平和」と言う。自分の思想やら愛国心やらはひと言も差し入れずに、でも同盟側のヤンさんが平和と言うなら、間違いなくそれは同盟側が有利な状態でたどり着けるもののはずだし、少なくとも自分はそういう状態に同盟を持って行きたい、多分持って行ける、持って行くために(平和のために)全力を尽くしたい、と言うような、そういうものは当然ながらシェーンコップ先生に通じたんだろうと思う。ヤンさんの、こだわるのは民主主義であって、同盟と言う国家と限定するわけではない、と言う辺り、そら否応なしに根無し草になったシェーンコップ先生にはたまらんだろうなあと思った。ほんとうに運命な組み合わせだなあって思った。
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