WillとDr. Lecter、見れば見るほどコプヤンなんですけど!! 血まみれで死に掛けないと成就しない恋。世界を巻き込んで死体の山を積み上げて、そこに自分たちの血を撒き散らして、ようやく実る恋。いやあ迷惑。斧振り上げて人殺すのがWillとか、Hannibal的には最高の眺めなのでは。シェーンコップ先生はあんまり食人とか言うのは好みじゃなさそうなので、まあ何だ、殺す妄想だけどんどん積み上げて行くタイプとかそういうので。料理はいっぱいするよ。いっぱいWillなヤンさんに食べさせるよ。普通のお肉で。お肉を料理しながら、人の肉は一体どんな感じかって想像してるシェーンコップ先生。個人的に、シェーンコップ先生はこの辺ごくごく真っ当な感覚の人と思うので、むしろアレじゃないか、元軍人で当然ながらいっぱい人殺して、そして戻って来て退役して、全然人を殺すとかない生活(いや当たり前なんだけど)してて、でもその中でやっぱり人殺しの感覚と言うのが消せずに、お肉を料理してる時はこれは人間じゃなくて家畜の、食べていい肉、殺してもいい肉みたいなので現在と現実と過去の折り合いをつけてる感じで。ストレスたまるとお肉まるごと買って来て自分で捌いて食べるとか。でも食べるのも量が限られるからやたら人に振る舞う羽目になると。でまあ、ヤンさんは精神科医の資格も持ってるけど、他人の心が読め過ぎて自分が病むと言うので元々好きな歴史の研究に没頭するんだけど、FBIみたいなそういうのから助けてよって要請来て断れず(多分研究費を出してくれるとか、過去の奨学金を払うって約束したとかで)、事件解決に駆り出されて、まあそれなりに役に立ち、同時に、人殺しの心理にやけに詳しいシェーンコップ先生も捜査に関わるようになって、それでお互い生きるのって大変みたいなところで共感し合って、でもヤンさんは人殺しじゃないし、シェーンコップ先生は合法ではあっても人殺しの過去があるし、そういうので絶対に歩み寄れない距離があって、魅かれ合っててもそこに踏み込むことはせずにいる。でまあ、犯罪者の恨みを買うとかあるあるで、シェーンコップ先生が狙われたりヤンさんが狙われたり、最後の殺人鬼はふたりをまとめて殺そうとして、ふたりでその殺人鬼を愛の共同作業で一緒に殺して、多分致命傷の一撃は、ヤンさんの斧のひと振り。それを見て、シェーンコップ先生は何だか嬉しくなると言うか笑い出すと言うか。ふたりで血まみれ、一緒に死に掛けながら、自分たちが殺した殺人鬼を眺めて、ああやっと我々は分かり合える距離に近づけた、ハッピーエンド(違)みたいな、何かそういう感じで。
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