DNTコーネフさんは、近づいて来る男の数は多いと思うんだけど、コーネフさん自身は無自覚高嶺の花で、にっこり受け入れてるように見えてしまう対応をしつつ、安っぽく近づかれるとはなみたいな内心と言うような。オレはひとり静かにクロスワードを楽しみたいんだ(そういう目的なら)邪魔するなと言う本音など。そういうコーネフさんが、自分からときめいてしまったDNTボロディンさんとか。父親と自分の名を呼ぶ発音が同じとか、父が傾倒してた伯父(若死にでコーネフさんは知らない)の印象に似てるところがあるとか、まあ何かこう、同じロシア系と言うだけではない、もっと肉親に近いような親近感がごく自然に湧いて、ああでももちろんこの人はオレの父親や伯父(コーネフさんを無意識に縛って来た人たち)ではないと言う感じ。身内の肉親感から切り離されてもなお恋しいと言う気持ちで、これは恋だと悟るコーネフさんとかそういう。何か、DNTポプランがコーネフさんにべたべたするのは、「気安くこいつに近づくんじゃねえ」と言う周囲に対する牽制と言う、一種の保護者意識かと思ってしまったDNT。同じ新聞を1部ずつ分けて、微妙に向き合った位置に坐ったDNTボロネフが、一緒にクロスワードパズルをやりつつ、ボロディンさんは読書用の眼鏡を掛けて、それを時々ずらしたり外したりしながら、紙面の小さい字を追ってて、それを上目だったり横目だったりで盗み見しながら、答え合わせの前に(ロシア式で)コーヒーを淹れようって考えてるコーネフさんと言うような(いわゆる縁側でお茶的な感じで)。
|