歴史学者なので、骨董品とか美術品とかもちょっと嫌いじゃないヤンさん。しかし貧乏なので大体見るだけ、買えるのはごく小さい手軽なものだけ。シェーンコップ先生は、小さな陶器の食器の会社を経営してて、自分のところでデザインから作るのから売るのを全部やってる。安価な大量生産ではなくて、ほとんど手作りに近いような作り方なので、出せる数が少なくて、かつファンが多くて、当然高くて、買うのは結構至難の業。そんなふたりがひょんなことから出会い、シェーンコップ先生の会社が最初に売り出した食器のセットの、もう廃盤で普通には絶対に手に入らないのを、ティーセット分だけをヤンさんのために復刻して、プレゼントするシェーンコップ先生とか。白地に黒に近いような深くて濃い青で模様が描かれてて、「オリジナルはもうちょっと青と分かる色合いですが、貴方の髪と瞳の色ならこれかと思いまして」って、ヤンさん用と言うのを知らせるシェーンコップ先生。とかそういう。ちなみにヤンさんが割った時用にカップの数は4客&ポットももうひとつ予備に取ってあるとかそういう。結婚記念の新しいティーセットは、白地ではなくて、もっとベージュに近いような色合いの地に、ひたすら鮮やかな赤い薔薇が描いてあるのとかそういう。そして後に、ほとんど黒みたいな青の地に、黄みがかった白の龍の豪勢に描かれたセットが爆売れするのでした。
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