個人的には、オーベルシュタインは自分の理想の絶対君主を生み出すために、少なくとも一時期、積極的にラインハルトさまに割りとアレな作戦を遂行させたと言うか、そう決断させるように持って行ったように見えるなあ。そしてそれによって、キルヒアイスと決裂させると言う気持ちがあったかどうかは分からないけど、そうなったらそれで良し、と言う気持ちがあったのではと言うか。ヴェスターラントはラインハルトさまが直接手を下さずにやらかせた虐殺で、ラインハルトさまの性格を考えれば、オーベルシュタイン的にはマキャベリズム一直線の超近道ラッキーなタイミングだったのでは。自国民を大量に殺すと言うのは時間も手間も掛かるわけなので(後当然ながら精神的に、やると決める時も実際にやってる時もその後も大変重いと思う。思いたい)、爆弾ひとつで星ひとつ一瞬で潰せて、それなら後始末もいらないし、爆弾投下も自身の決断じゃないし、非道なことをした!!ってやった本人を糾弾して自分はいい顔保てるし、後は何とでもなるって自信があったオーベルシュタインならではと言うか、そして、オーベルシュタインがどうそそのかしたにせよ、決断したのはラインハルトさまだし、ラインハルトさまに、「そんなことができるか!!」ってオーベルシュタインの意見を退けられるだけの勇猛さがないとは言わせない、と言う流れ・・・と言うのがキルヒアイスにははっきり見えたんだろうしな。もう汚れた手ならまた汚れても同じこと、と言うのをラインハルトさまに思い知らせるいいチャンスだったんだろうなオーベルシュタイン的には。絶対君主を目指すなら、お友達ごっことか正義とか甘っちょろいこと言ってんじゃねーよ的な。250億救うために200万を見殺しにしろと言うのはふざけた傲慢だけど、上に立つ人間は、下にいる人間とは違う見方と生き方をしなければならないと言う、徹底的な孤独に耐えられる強さがないと無理ですので、的な。まあ、受け入れたくはないけれども、オーベルシュタインにはまた彼なりの、ぐうの音の出ないような正論があったと思うよ。
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