DNTの手ぶらのヤンと言うふたつ名は、ヤンが何も持たない、無一文の天涯孤独の孤児であると端的に表す的確な演出だなあと思うと同時に、それによってヤンの境遇の不憫さ&ヤン自身はそれを特に不幸だと思わず、現世にありがちな煩いのない、身軽な立場であると認識してると言う(もちろんそれゆえの淋しさもあると受け止めた上で)風な、その辺のギャップが面白いなあと思う。世間はヤンを不幸と思ってそれをやや揶揄する立場を取り、ヤンはいいとか悪いとかではなくて、自分は身軽な、あれこれ気を使う必要のない立場であると、単なる事実として認識してると言うか。お金がない点は、ゆえに士官学校に身柄拘束されてると言う不便さはあるものの、成績ぎりぎりなら文句ないっしょーと言う風にできる頭はあるわけで・・・ヤンさんの幸運は、世間や親からのありがちな呪いを、ほとんど受けてないことかもしれないと思った。これも地に足着けない育ちのせいだろうけど。
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