ユリアンは、ほんとうにヤンを人間らしくしたと言うか、ほんとうに、芯からヤンさんを救った存在だと思うんだよなあ。しかも、本人がヤンさんを救おうとかより良い人間にしてやろうとかそういう意図も他意も全然なくて、ユリアン自身がヤンさんに救われた、ヤンさんによって良い人間に成長したと思ってるところが、ヤンさん自身に反映してると言う。個人的見解だけど、ヤンさんはラップさんとジェシカさんのふたりに同時に失恋したことで、自分が恋愛するとか結婚するとか家族を持つとか言う、ある意味平和な人間が社会的生活を営む上で考えるだろうことに対して、自分には能力がないし機会もないって諦めたと言うか、自分と言う人間の、この社会での立ち位置を冷静に判断したと言うか、ここで完全に、ヤンさんは軍に属する軍人になったと言うか(になることを選んだと言うか)。ここで前述のことは一応一通りしてるキャゼルヌ先輩が、いかんってヤンさんを人間道に引き戻したわけじゃん、恋愛も結婚も育児もすっ飛ばして、いきなりユリアン少年を養子に送り込んで。恋愛も結婚も向いてないし無能だけど、未来ある少年を、より良い未来に導く、自分がその未来を築いてゆくと言う能力はないわけではないわけで。ある意味、キャゼルヌ先輩はヤンさんをほんとうに良く理解してるよなあと。でまあ、人間道にとりあえず引き戻された後で、ヤンさんが放置してても恋愛面でぐいぐい押し入って来る、年上陸戦部下も現れてくれたわけで。ヤンさんが恋愛面無能でも、シェーンコップ先生は平均以上に有能だから、足してちょうどいいじゃん。シェーンコップ先生のことは、多分キャゼルヌ先輩には想定外。正直、ユリアンから向けられる、家族愛、シェーンコップ先生から向けられるエロスの愛情、と言うのの結果、フレデリカさんと結婚できたと言うことじゃないかと言うような気がする。どっちかが欠けても、フレデリカさんに自分からプロポーズするなんて、ヤンさんにはできなかったんじゃないかなあ。フレデリカさんからの逆プロポーズは有り得たかもだけど(ヤンさんがYesと言えたかどうかは知らない)。ユリアンは偉大だ(彼がヤンさんに対して無為無欲な分余計に)。
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