673600
ハインさん萌えは、実家のようなものなので。
構わずダダ漏れ。時々青いお空とかに反応投げ。ここのタイトルが時々近況報告。ブラウザバックで戻って下さい。
メルフォ
置いてみました。
タレコミどんと来い!!
スペースで
AND
検索
・
009(2735)
・
JoJo(1268)
・
HR/HM(1067)
・
vtms(2125)
・
GA伝(4810)
・
UFC(480)
・
Law & Order(219)
・
other(2887)
・
ネタメモ(301)
2017年8月21日(月)
*
other
009
Flagについて、とりとめなく。ネタバレしまくり。
主人公(人間扱いと言うよりはカメラのレンズ扱いに近い)は、若い女性。多分20代半ば? 30前と言うことはないと思う。が、大学出たてと言うほどでもないか。
ほとんど名前で呼ばれない。基本名字呼び。いわゆる、女の子に対する愛称呼びと言うのもない。
対軍隊(国連ではあるけど)と言うシチュのせいかどうか、彼女に対する対応は大変お固い。
戦場カメラマン/取材記者なので、服装はまったく露出はなく、いわゆる女らしいとかそういうのとは無縁。髪も短い&声と喋りが大変幼い(棒読みセリフがわざとか声優さんの元々の技量か不明)ので、女性と言うよりは少女、あるいは少年に近い感じ。
そのせいかどうか、彼女絡みのロマンスみたいなものは一切なく、フラグがもしかして?と1話2話辺りであったけど、まったくぶった切られたまま。
自分はそこが大変好感度高かった。
彼女を、仲間と言うか、子ども扱いっぽい感じで、性的なからかい(好意も含めて)と言うものは一切なし、彼女を、非戦闘員として守るべきものとして扱うけれど、いわゆるベタベタな女性扱いと言う感じではない。
ありがちな、女性キャラの媚びと言うものが見えない。
作中、女性キャラが現実に指揮を執ると言う流れが多く、軍隊ものではあるけど、喚いて走って混乱状態でサバイバル!!と言う感じではなくて、あくまで冷静に作戦を遂行、基本的には常に静かで抑揚はかなり抑え気味。地味と言えば大変地味。
秘密の実行部隊と言う設定なので、この地味さ静けさは当然か。
主役は一応(若い)女性、話も女性を中心に進む、が、ナレーションと、主人公とは別位置からの視点が、彼女の先輩である男性(彼女より恐らくひと回り程度年上)で、セリフは圧倒的に彼の方が多い。当然ながら声優さんの技量もあって、存在感は彼女がただのカメラなら、彼はきちんとそこで撮られたフィルムと言う感じで比較にならない。
この辺りは当然計算された演出と思われ。
正直、最初の数話は、主人公が女性に見せかけた、結局主人公は男ですな物語かと思ってたんだけど、まあその通りなんだけど、物語終盤での展開で、スタッフが意図したかどうかはともかく、この視点の分裂が、歴史とはどう語られるものか、と言う現実を浮き彫りにする。
彼女の取材の資料はすべて国連に取り上げられ、「後で整理が終わったら渡すから」(検閲済み)と言う説明のみ。彼女はそれに渋々だけど逆らわない。
この資料は後で、彼女の取材した先の軍人たちからこっそり戻って来るんだけれども。
この彼女の手元に戻った資料が、最終的に、彼女の先輩であるもうひとりの主人公(それなりの年齢に男性)の手に渡る。そして彼の手を経て世界に公開されるだろう、と言う辺りで物語が終わる。
歴史と言うのが、"HIS"tory(彼の物語、男の物語)であると言うのはよく言われることだけど、ここでそれがそのまま出て来る。
"彼女"が撮った写真、"彼女"が見聞したことは、彼女の手を経て世界に出て来ることはない。それは"男たち"のものになって、やっと日の目を見ることができるようになる(予定)。
彼女の物語(Her Story)は、彼の物語(His Story)になる時、事実や真実として世界に認識される。
この辺りを、スタッフは意識してやったものかどうか。
個人的に、最後の2話のこの辺りの流れ、鳥肌立った。主人公の彼女が、恐ろしく影が薄く描かれてた(が、見るうちに次第に魅力的に思えて来るキャラで、少なくとも悪感情を抱くタイプではない)理由が、最後の最後でよく分かると言うか。
感想のブログ記事で、「ネパールの内情を突っ込んで描いてるかと思ったら拍子抜けしてがっかりした」と言う内容を読んだんだけど、これはそういうことではないと思う。
時事問題にあまりに突っ込むと、作品の風化が早くなってしまう、それは作り手の本意ではないと思う。
むしろ、その辺りの事情をさらっとすくい取って、もっと普遍的なものを描いてるところが秀逸と言うのか・・・何と言うか、ものすごく大人な作品だった。
誰かが声高に、あれが正義これが正義だからどうしろと喚くのではなくて、あくまで静かに、目の前の、自分たちのやるべきこと、できることをやり遂げようと言う、口先だけのアレコレが恥ずかしくなるような、そういう作品だと思った。
何と言うか・・・映像的にも挑戦して、表現しようとしたレベルが高いと言うか・・・これぞアニメと言うのか、何か色々こう、納得して感心した作品だった。
ドラマティックではない、ほんとうにドキュメンタリーに近いと言うか、とにかく目の前の事象を、善悪とかではなく、ただ淡々と描写して行く感じ。ただただ静かに。
気がついたらものすごく引き込まれてた。
萌えは、人によるとは思うけど、自分的には良い意味で一片もなかった。とにかく物語だけで見せる、ものすごくドラマ性の高い物語だった。
で、萌えについて、強いて言うなら、ヤンさん。名前からするとドイツ人かな。寡黙な巨人。分かりやすくてごめんorz
山猫みたいなのモフモフしてるのが可愛かったよ。
後、大事なところに周夫たん持って来るのさすが。周夫たんは魂が震えるよね。
キャラ造形と言うか、その辺りは完全に009が下敷きだと思う。ってか、009てああいう少年漫画のキャラ造形のお手本だもんね。
そもそも国連の軍=009の面々と言うので、もうまんま。
そう考えると、009の先見性は何かもう神。
主人公の彼女が死ななくてはならなかったのは、彼女が女性だからだろうな多分。そして主人公が女性でなければ、こういう物語にはならなかったと思う。
歴史は、男の物語であって、女の物語ではない。ゆえに彼女の口から直接語られるわけには行かない。彼女の見聞と写真が世に出て、歴史となるには、彼女と言う存在を、そこから抹消するしかない。彼女のものであっても、彼女のものでない状態で語られなければならない。
高橋監督と言うのは、語らない物語を描くのが、ほんとうに巧いなあと思う。
この世代はああいう、引き算の演出と言うのがごく当たり前ではあるんだろうけど。
芸術かと言われたらちょっと違う。文芸だろうな。何と言うか、非常に巧みに作られた作品だと思った。
カフェで始まりカフェで終わり、物語の一部は場末の酒場で進行し、場所を変えて、静かな人気のないバーで終わる。そういう流れの繋ぎ方も相変わらず巧い。
歴史とは"His Story"である、と言うのを、否応なく見せつけられた作品だった。何かすげえわ。
何かこう、久しぶりに、巧い作品を見たと思った。ひとまず終わり。
【2024】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2023】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2022】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2021】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2020】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2019】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2018】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2017】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2016】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2015】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2014】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2013】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2012】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2011】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2010】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2009】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2008】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2007】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
【2006】
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
管理
nik6.24