久々女徳読んでるんだけどさー春琴抄ネタっぽいのが出てて、まあ元々すっごい54っぽいんだけどこの関係性。で、何か突然片田舎の小さな街(村に毛が生えた程度の規模)に、妙に色っぽい人(ハインさん)が現れて、住民が騒然となる、みたいなそういう。本人地味にしてるんだけど、何か隠せないオーラがあって、何かなって思ったら、前は著名人みたいな人の公然の愛人だった人で、相手に捨てられたか死別か、何かそんなので人目を忍んでそこに移って来た、みたいな。で、意地の悪いひとりの住民が、「そんなのなら軽くヤラせるだろ」っていやーなチョッカイを出す。ブン殴って撃退してもいいんだけど、それで村八分になると困るのは新入りの自分だし、それで我慢してたら嫌がらせはエスカレート。で、その態度があんまりだろうって、ジェロたんが一応たしなめるんだけど、その住民は聞かないどころか、「おまえもどうせあわよくばって思ってるんだろ?」とか言われちゃう。そしてうっかり言葉に詰まるジェロたん。で、心配になって、何となくハインさんの周辺をこっそり見守るような流れになって、ある日いやがらせの域を超えて、ろくでもないことになったところに割って入って、ジェロたんはロクデナシを追い返す。ロクでもないところを見られたことを恥じつつも礼は言うハインさん。そこから親しくなって、「やっぱりそれ目当てだったんじゃねーか」とか「誰の相手してたか分からないヨソ者構うとかバカじゃね?」とか、陰口叩かれるジェロたん。ハインさんはジェロたんをそういう目に遭わせるつもりはないので、やっぱりやめとこうとか言うんだけど、ジェロたんはもうここを出て行ってもいいとか言う。それはどうなんだって思って、一応前言撤回はするんだけど、現状が煩わしくて仕方ないハインさん。そんな時に、ハインさんの元彼の家族と言うか、何かそういう感じの人が現れて、「持って出た裏帳簿返せ」とかそういうことを言う。ハインさんは万が一のために、自分の身を守る材料としてまああちらの仕事上のあれこれの情報を掴んでて、あちら側としてはそんなの持ってられるのは困るので、返さないとひどい目に遭わせるよ、みたいなことを言う。でもハインさんの強情さは知ってるので、ハインさん本人を痛めつけてもどうしようもないって分かってるので、ジェロたんに矛先が向かう。数人掛かりで殴る蹴るされて、腕とか折られちゃう。ハインさんは、「今回は腕で済ますけど、次は背骨でも折るかな」とか言われて、ブチ切れて、「話をつけに向こうにちょっと戻る。こんな状態で置いて行くのは悪いが、すぐ戻る」って言って以前いた街に向かう。ジェロたんは、戻って来るって言ったけど、向こうに帰ったら多分懐かしくなってもう戻って来ないだろうなって何となく考えてる。ハインさんは向こうに乗り込んで行って、貸し金庫の鍵叩きつけて、「二度と俺の前に現われるな!」って啖呵切って出て行く。金庫の中には10年分くらいの裏帳簿があって、いちばん古い分がコピーで、それと一緒に、「今度俺の前に姿を現したら、オリジナルが警察と税務署に即届くから覚悟しやがれ。弁護士に報告済み」ってメモがある。と言うわけで、ハインさんの勝ち。ジェロたんのところに戻ると、もう退院したジェロたんが、折れた腕をかばいながら、やり難そうに馬の世話をしてる。それを引き取って、服も着替えずに作業を始めるハインさん。「服が汚れる」「もう二度と着ることはない服だから構わない」みたいな会話の後で、ジェロたんがぼそっと、「戻って来ないと思ってた」って言う。ハインさんはにっこり笑顔で、「俺のウチはここだ、他にどこに行くって言うんだ」って言う。「・・・そうか」ってジェロたんも一緒に笑って終わり。長くなっちゃった。
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