100回くらい言ってて、これからも1万回くらい言い続けると思うけど、ボトムズのすごいところは、とにかく制作陣のブレのなさだと思う。行き当たりばったりで作ったって言いながら、物語の根底に流れるテーマは一貫してて、30年後に作ったOVAで、まったく別の物語を紡ぎながら、キリコと言う存在を囲うもののバックグラウンドはまったく同じで、そのブレなさ加減はもう奇跡のレベルだと思う。で、ここで赫奕のことを言うとdisにしかならないんだけど、アレだけはそこからブレてしまった、と言う点に於いて、ボトムズの物語としては異端なのだよな。だからこそ、まさに赫奕たる異端で。そしてまた、赫奕でブレてしまったボトムズの軸を、PFできっちり戻した手腕は凄まじいと思います。ボトムズの物語は、「戦争のない世界があると思うのか」と訊くヴァニラに、「ああ」ってキリコがにっこり笑ってあっさり答えるあのやり取りに集約されると思うんだよね。だからこそ、そこで、「多分な」と返事を変えてしまった赫奕で、こいつは10年の間に、現実世界(スタッフの顔ぶれ&世界に対する視点)が変わっちゃったんだなあと思った。そこからさらに10年以上経って、きっちり元の軸に戻せたのは、現実がさらに荒んだからなのか、あるいは単にスタッフの情熱か。こいつはそういうボトムズが好きで好きでたまらんわけです。
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