レクター博士の凄いと言うか恐いところは、彼があまりにも自分の美学に忠実で、ゆえに見た目も余りにも美しいために、彼ほどは美しくも端整でもない周囲が悪者に思えて来る点。人殺しなのに、彼を捕まえようとしてる警察とか司法とか精神分析医とか、他の、彼ほどは優美に殺人を行わない、ゆえに美しくない(殺人者当人も)他の殺人鬼の方が、全部間違ってるように思えて来るところ。何か、「いや食べるためなら殺していいんじゃね?普通の人も動物の肉食べるじゃん? しかもすごい凝って丁寧に料理してくれるし。殺されても食肉としてなら本望じゃね?」みたいな感覚になって来る。恐い。
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