肩が赤いってだけで死ぬほどビビられるRSが、キリコ初め実は意外と冷血漢でも化け物でもなかったって言う、世間とのイメージとの乖離っぷりがLRSとかFRSだったのかって、何か今さらそんな。あの乖離っぷりがあればこそ、あそこまでドラマになったんだよなあ。RSの(普通の)人らしさが、世間のイメージとの対比でいっそう鮮やかに浮き上がる。そして普通であればあるほど、吸血部隊と呼ばれる彼らのRSとしての現実はただひたすらに悲惨に映る(彼らの行った作戦の結果と同程度に)。その点では、自分でAT駆って実戦に出て自滅したリーマンが、軍人としては良心的に見える件。そして、将校として安全地帯の高みから、生身の兵器として死んでゆくRSたちを眺めてるよったんの、だからこその非人間的な立ち位置がよりよく見える。まあ、RS作ったよったんたちが、実戦に出る兵士たちより人間性が高いとかは有り得ないんだけど、本編で吸血鬼の殺人鬼呼ばわりのRSが、OVAで普通の人らしさを見せて、そしてそこでよったんの冷血っぷりを浮き彫りにして、そこからただ落ちぶれて行ったよったんと言うのを見せるPFまでの流れとか、たまらんほんとマジたまらん。そして、PF最終話後の、LRSでのよったんのあの悲惨っぷりと来たら。冷血よったんも、結局はキリコに魅せられて人生狂わした、ただの普通の可哀想で不憫な人でしたとかもうねもうねもうね! ボトムズってのは、結局普通の人たちの物語なんだよな。異能生存体やら究極冷血人間やらを描こうと、結局「人はただ人であるだけ」と言う物語の根本部分のブレなさっぷりが素敵すぎる。
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